第一章 半年で、事業負債1,500万円に。

第一章 半年で、事業負債1,500万円に。

これは、僕がベトナム、インドネシア、フィリピンへビジネスパートナーを探す旅に出たときの紀行文。

内容は、脱サラ、失敗、苦悩の日々、一冊の本、アジアへの挑戦、青年との出会い、絶対感で生きるなど紀行文のような自己啓発のような、旅や仕事を通じて自分自身の「ライフスタイルをまるごとデザイン」したことを書いてみた。

紀行ブログの目的は、読者の皆さんが世界に挑戦するとか、海外で暮らすとか人生を大きく変えるような話ではなく、もっと身近で「何か新しいことに挑戦したい、自分を成長させたい」そんな気持ちの後押しになればうれしい。

僕は、今日47歳になった。いまだに飽きっぽい性格が直らない。好奇心旺盛というか、落ち着きがないというか、年をとればいつかは落ち着くかと思ったがまったくその気配がない。40歳で脱サラ、独立、好奇心旺盛にあれこれやってみた。その結果はこうだ。

年収はサラリーマン時代1,500万円、独立後は60万円に。

負債は住宅ローン1,000万円、独立後半年で事業負債1,500万円追加。

そして妻は専業主婦、娘は私立大学への進学を控えていた。

これを読んだあなたは「調子に乗って独立、失敗したんだろう」と思われたかもしれない、確かにその通り、完全にやっちまった。

サラリーマンなら上司に激怒され「すいません」と言って何とか乗り切る、せいぜいひどくても降格程度、また頑張ればすぐに昇格できるチャンスだってある。

しかしオーナーはそうはいかない。僕は一般人、親が会社をやっている資産家の息子でもない。負債はそれなりの金額、数年かけて自分で返済するしか方法はなかった。

ただ心の片隅でこれからの100年時代を生き抜くために必要なマインドやライフシフトの気付きがあったこと、やりきった感があったことも事実、突然それなりの負債を抱えても妙に前向きな自分がいて、少し自分で自分が怖いと思った。そしてある日、僕の人生を変える一冊の本と出合った。

「週4時間」だけ働く。サブタイトルは、9時-5時労働からおさらばして、世界中の好きな場所に住み、ニューリッチになろう。

表紙はヤシの木に囲まれてハンモックでくつろぐ人の絵が描かれている。うさんくささ、第一印象の濃い本だった。

内容は、「ニューリッチ」と言う究極のノマドワーカーの存在、考え方、生き方の参考例を交えながら細かく書かれている。そのため、タイトルや表紙だけでは想像できない600ページ以上の立派なビジネス書、僕は読めば読むほどとりこになっていった。

ちなみにノマドワーカーとは、ノマドは「遊牧民」、ワーカーは「働く人」、時間や場所にとらわれず働く人。パソコン一台あれば、アメリカ、ヨーロッパ、アジア、沖縄だって旅しながら働ける「現代風の遊牧民」のこと。

ここで少しこの本と、僕の心に響いた文章を紹介したい。

ちなみに著者はアメリカの起業家、投資家などで活躍するティモシー・フェリス氏、彼は交換留学で日本に来たときのことをこのように語っている。

 

“日本では死ぬまで働く「過労死」と呼ばれる現象があり、日本人は生まれたときには神道で、結婚するときはキリスト教、他界するときは仏教徒になるくらい、宗教観はあいまいだ。私は日本人の大半が深刻なほど生き方に混乱をきたしていると思った。”

引用:「週4時間」だけ働く、P35より

これが彼の日本人に対する第一印象。確かに以前、アメリカ人の友人が日本に来たとき電車で「なぜ、みんな寝ているの、そんなに疲れているのか?」と聞かれたことがあった。もしかしたら世界から見ると日本人の生き方というか働き方に少し問題があるのかもしれない。

 “富だけを持っている金持ちはもう古い、ニューリッチ(NR)は、先送り人生プランを捨て去り、「ニューリッチ通貨」を使って贅沢なライフスタイルを創り出す人々のことだ。

「ニューリッチ通貨」は2種類ある。時間と移動だ。これは芸術的、科学的な概念であり、私たちがライフスタイルデザイン(LD)と呼ぶものだ”

引用:「週4時間」だけ働く、P25より

僕の両親は、一般的な共稼ぎサラリーマン。老後はゆっくりと、そんなことを言いながら一生懸命働いていた。しかし父は残念ながら老後を待たず他界した。

僕の両親に限らず団塊世代の人は、生活や老後のために自分の体や時間を犠牲にしてまでも働いていたのでは、そして僕も数年前まではそうだった。そろそろライフシフトしないと豊かな人生にならないと学んだ。

“銀行に100万ドル貯めこむなんて、ちっともファンタジーにならない。お金を使って得られる完全に自由なライフスタイルこそファンタジーだ。そこに疑問が湧いてくる。100万ドルがなくても億万長者のような完全に自由なライフスタイルをとりあえず手にするのはどうしたらいいのか?”

引用:「週4時間」だけ働く、P26より

何のために独立したのか、目的は何なのか、自由を手に入れたいのか、金を稼ぎたいのか、お前はまずそれをハッキリせよ。

なぜなら自由を手に入れること、金を稼ぐことはまったく別次元だ。ガツンと中途半端な僕へのゲキとなり、目が覚めた。

答えは、「また、自由を手に入れたい」。僕は負けたり、失敗したりして良い経験をしたと思ったことは、一度もなかった。すべて負け惜しみ、言い訳だと思っていた。

しかし今回の負けは、“5年後、10年後、本当になりたい自分”を考える良いきっかけになった。もしもあのとき中途半端に勝てていたら、そんなに深く考えることもなかったと思うし、今のようなエキサイティングな人生には出会えなかったと思う。

ついに日本は労働・雇用「人生100年時代」を迎えた。100年も生きるとなると挑戦したすべての事柄で勝てるわけがない。もしもすべて勝てたとするならば、僕はそれは挑戦するハードルをオキに行ったとしか思えない。だからやってみたいと思うことがあるなら失敗を恐れず挑戦してほしい、3日坊主でもかまわないので。

つづく。

報告する

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。